テニス肩に対するリハビリテーション

サーブで肩を上げるときの痛み

特にサーブで肩を上げるときに痛みを訴える方が多くいらっしゃいます

「肩関節周囲炎」「肩盤断裂」「インピンジメント症候群」…などの疾患をお持ちの方、そして肩の使いすぎ(オーバーユース)の方に特に多いです。

サーブ以外の日常生活では「腕を横に持ち上げる時」の動作に痛みを感じます。
腕を横に持ち上げる動きを、肩の「外転」と言いますが、この「外転」を補助する動きを身につけることで、肩の負担を減らすことができます。

肩の筋肉のストレスが少ないポジションで打てれば良い

腕をあげる動きを制限する筋肉をストレッチし、テークバックを肩だけで行うのではなく、複合動作で行うことで肩の負担を減らすことができます。

①肩甲骨を上に回す動き
②胸郭を広げる動き

これらの補助する動作が必要となってきます。
こうしたわずかな可動域でもトレーニングで正確に使えるようになることで、肩の負担を減らしてほしいと思います。

早速、そのためのトレーニングを行っていきましょう!

リハビリメニュー

①広背筋・大円筋のストレッチ

肩を上げる動きを制限する(拮抗筋)として働く、広背筋・大円筋をストレッチします。

【やり方】

肘を持って、もう片方の手が肩甲骨を触れるように引き寄せます

②胸郭・上腕の協調性および菱形筋のストレッチ

肩を上げるときに、胸郭を意識した体のひねりを加えることで負担を減らす打ち方を身につけます。

また腕を下ろす時に、背中を広げることで肩甲骨を上げる動きを制限する(拮抗筋)として働く、菱形筋をストレッチします

【やり方】

肩を内旋させながら前屈し、外旋させながら胸をそらします

サーブ時の肩チェックポイント

肩を外旋させながら、肩甲骨面上(スキャプラプレーン上)に肘が来るように、胸郭可動域を確保します。肘と上腕骨の位置が一致します。
このポジションが楽に感じられるでしょうか?

なぜ治らないのか

治療院や医者にかかっても、根本的な解決にならないことが多い理由として、テニスの動きを知らないことがあげられます。

例えば、サーブの動作は肩の挙上だけではなく、回旋があることを知らない場合があります。胸郭を意識した回旋動作を外転に連動させることで、肩の負担を低減できることを指導できれば良いのですが…

リハビリテーションは、元の状態に「戻る」こと(Re)
トレーニングは、新たな刺激に「慣れる」こと(Train)

岩井スポーツドクターから、「本当の医者は現場の指導者」と言われたことがあります。多くの動けないひとを目の当たりにしてきた立場からくるこの言葉を、しっかりと受けとめて仕事していきたいと思います。

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